古豪・明誠学院大学陸上競技部。
箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。
本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。
隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?
一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。
プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。
「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。
ついに迎えた1月2日、箱根駅伝本選。
中継を担う大日テレビのスタッフは総勢千人。
東京~箱根間217.1kmを伝えるべく奔走する彼らの中枢にあって、
プロデューサー・徳重はいままさに、選択を迫られていた――。
テレビマンの矜持(きょうじ)を、「箱根」中継のスピリットを、徳重は守り切れるのか?
一方、明誠学院大学陸上競技部の青葉隼斗。
新監督の甲斐が掲げた「突拍子もない目標」の行方やいかに。
そして、煌(きら)めくようなスター選手たちを前に、彼らが選んだ戦い方とは。
全てを背負い、隼斗は走る。
~感想(ネタバレ含む)~
とても面白かった!箱根駅伝を実際に見ているよりも、箱根駅伝を見ている感じです。
特に下巻は涙なしには読めない。それぞれの区でドラマがあって、
また、「襷をつなぐ」という本質的な意味がわかった気がします。
実際に走る選手たちは、彼らを支えてきたたくさんの仲間や家族たちの思いを全て背負って「走る」ということなんだなと。そして、その思いを繋いでいくということなんですね。
また、実際の選手たちの戦いももちろんハラハラしながら読み進めましたが、これと同時にテレビマンたちの葛藤も描いてますので、実際の戦いの裏で、戦いのもっと前からあんなに大変な思いをしているなんて本当に想像もできませんでした。
私的には菜月さんがキレるシーンがとても好きです。
もちろん商業的なものですから、視聴率がないと続けていけないのは分かるんですけど、そういうことだけではないんだろうなと。
ただ一つ後悔なのは、もっと箱根駅伝のルートを頭に叩き込んでから読めばよかった。
5区と6区はだいたい想像できるんですが、それ以外のところが実際にもっと覚えてから読んだ方が面白かったのではないかなと。
このブログを読んでこの本を読もうかなと思ってくれた方は、ぜひ箱根駅伝のルートをgoogle mapとかで見てから読んだ方が絶対面白い。
ちょっと箱根駅伝のあのルートを実際に歩いてみてからもう一度読みたくなりましたね。
あと、この本を読み終えた後、箱根の実際のルートで撮影するの無理だろうし、何よりこんなたくさんの陸上選手たちが登場人物出てくるなんて映像化なんて絶対無理だろ~って思ってたのに、まさかの来年ドラマ化って(笑)
ま、日テレ以外でやれるわけないですよね~。
そもそもどうやって箱根のあのルートを撮影で使うんでしょう?
あと、天気が悪い中での戦いでしたから、それもどうするの?雪降ってるけどって思ってます。
ただ、日テレ以外で絶対できないでしょうから、どんな風になるのかめちゃくちゃ楽しみです。
来年の箱根駅伝見たらもう一度読もう。

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